2023年6月9日(金)に公開の実写版「リトルマーメイド」について、映画の予告を受け、公開前からネットでは賛否両論、様々な意見が飛び交っています。
ディズニーの実写映画と言えば、「美女と野獣」や「アラジン」などは記憶に新しいく、「リトルマーメイド」の実写と聞いて心躍らせた人も少なくないのではと思います。
しかし、実際の世間の公開前の評判は「実写版のアリエルが可愛くない」「ポリコレを押し付けるな」など、否定的な意見が目立つようです。
なぜ実写版リトルマーメイドが残念と言われているのでしょうか?
その理由をまとめてみました。
理由① セバスチャンにフランダーも…海の生き物達がリアルすぎる
アリエルのお目付け役であるカニの「セバスチャン」やアリエルの親友である石鯛の「フランダー」について、およそアニメの姿とはかけ離れていると話題になっていますね。
アニメ版のセバスチャンはロブスターやエビだと思っていたという人もいるくらい、実物とは乖離したキャラクターデザインになっていることもあり、いざ実写化されたとき「セバスチャンってこんなにもカニカニしてたの?」と衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。
フランダーも同様に水色と黄色の縞模様が特徴的なぷっくりと可愛らしいフォルムのお魚さんが、実写になるとこんなにリアルな水族館で見る様な魚になってしまったと残念に思った人もいる様です。
確かに本当に実際にいる生物に少し毛を生やしたくらいのキャラクターデザインで、アニメを見慣れている人には受け入れ難い様に感じますね…。
ただ、今までのディズニーの実写版映画を思い返してみると、例えば「ライオンキング」はまさに現実の動物の姿を忠実に再現していて、実写化するにあたってリアルを追求するというのはディズニーのこだわりでもあるのだとわかります。
筆者はやはり幼いころから見慣れたアニメ版のイメージがあるので、できれば「ファインディング・ニモ」くらいなキャラクター感は欲しかったなと思っていますが、よりリアルなディズニーの実写世界に引き込むためには、これくらいのリアリティが必要という事なのでしょう。
理由② 海を舞台にした映画故にCGのクオリティーが気になる
前述したように、海の生き物などかなりのリアリティを追求した仕上がりにはなっているのですが、全体のCGの仕上がりはどうでしょうか。
筆者としては中々悪くない仕上がりなのではと思うのですが、似たような水中のCGを扱う映画として、半年ほど前に公開されヒットした「アバター2」が思い浮かびます。
たしかに「アバター2」のCGのクオリティーと比べると、些か劣っていると言わざるを得ないのかなという印象ではあります。
アバター2に比べるとCG感が否めないという印象を持ってしまうからでしょうか。
確かに、実写で生き物もリアリティーを追求するのであれば、CGもより現実と見紛う様な出来であって欲しいという意見もわかる気がしますね。
理由③ 多様性を意識した配役?ポリコレの押し付け?
主人公のアリエル役に黒人の歌手である「ハリー・ベイリー」が起用されており、ディズニーはその理由について彼女の歌声が素晴らしいからと公表しています。
しかし、一方でキャスティングに懐疑的な意見を持っている方も多数いらっしゃるようで、今回のキャスティングに関しても「多様性を尊重して黒人を起用した、いわゆるポリコレではないか?」と思われているようです。
※ちなみに、ポリコレとは以下の様なことをさします。
ポリコレとは、「ポリティカル・コレクトネス(political Correctness)」の略称。頭文字をから「PC」と呼ばれることもあります。直訳すると「政治的正しさ」という意味を持ち、特定のグループに対して差別的な意味や誤解を含まぬよう、政治的・社会的に公正で中立的な表現をすることを指します。
PR TIMES MAGAZINEより|https://prtimes.jp/magazine/political-correctness/
2010年代ごろから盛んにポリコレを意識した動きが強まっており、ディズニー映画に関しては最近でも実写版の「ピノキオ」に登場する妖精のブルーフェアリーを、アニメでは白人のはずが黒人キャストが演じたり、「2分の1の魔法」では同性愛表現があり中東で上映禁止になるも、ディズニーは当該シーンのカットを頑なに拒否するなど、ポリコレの意識が強まっていると感じる要素が多々見受けられるのです。
これらを加味すると、いくら歌が上手いという理由を挙げられても、「黒人の俳優さんがポリコレを意識して起用されているのでは?」という意見が多々見られてもおかしくない様に感じます。
また、今回の映画でアリエルの姉たちである6人の人魚はそれぞれ違う人種を意識してキャスティングされていることにも驚きました。
リトルマーメイド実写版、ここまで来たら“姉”たちのうち誰かがLGBTだったり、エリックが“姫”だったとしても驚かんぞ
— エレキマン (@iHerb1985) April 28, 2023
エリックとの結婚を認めないトリトン王がアースラに“キャンセル”されて失脚するくらいまでは覚悟してる pic.twitter.com/MpbR7GGWqX
トリトン王は一夫多妻ということか??その辺本編で描かれるのか少し気になるところです…。
また、キャスティングを歴史的な背景と照らし合わせてしまうとむしろ悪しき歴史を揶揄しているのでは?という意見も見られました。あまり考えすぎるのもよくない様に思いますが、その点に関してはキャスティングする側の勉強不足も感じます。
理由④ アニメ版と実写版でアリエルの視覚的イメージが違う
一方でアースラや、アースラが人間の姿に扮した際の姿であるヴァネッサはイメージ通りでキャスティングが神がかっているという意見も多くみられます。
このことから、やはり多くの人がアニメのキャラクターの持つ視覚的イメージに近づけて欲しいという気持ちが強いということがわかりますね。
その点で、容姿関係なく素晴らしい歌声の持ち主として選ばれたハリー・ベイリーが、今回の実写化でアニメ版のアリエルに比べて「可愛くない」などの意見が出てきてしまったのは必然的だったのかもしれませんね。
実際、筆者の姪っ子も、アニメ版のリトルマーメイドが大好きなのですが、実写版のアリエルのビジュアルを見てもあまりピンと来ていない様でした。
筆者も欲を言うなら、やはりあの赤毛で青い透き通るような瞳のアリエルがそのままアニメの世界から飛び出してきた様な姿を見てみたかったという気持ちもあります。
しかし、確かにアニメの世界のアリエルは意識の薄れている状態のエリック王子から歌声を聞いて惚れこまれたということもあり、「リトルマーメイド」という作品において、歌声は優先順位が非常に高かったとも考えられますね。
劇場では今回のアリエルのキャスティングで最優先されたというハリー・ベイリー歌声がどれほどのものか、しっかりと堪能したいですね。
ただ、吹き替え版で見る方にとっては見た目も重要だったのでは?と思わずにはいられません…。
吹き替え版を見る方はハリー・ベイリーの歌唱は関係無くなってしまうのですから。
それを考えるとやはり歌声で選んだというのは完全に納得のいくものではないなと思ってしまうところもあります。
吹き替え版といえばアリエルの声は豊原江理佳が演じるそうで、そちらの歌唱も楽しみです。
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理由⑤ ポケモンショック再び?
公開直前の6月6日にディズニーの公式HPで次の内容(一部抜粋)が発表されました。
一部、光に対して敏感なお客様がご覧になられた場合、光過敏性発作やてんかんの症状など、光感受性反応による諸症状を引き起こす可能性のあるシーン(光の点滅が続くシーン等)が含まれております。
ディズニー公式HPより|https://www.disney.co.jp/movie/littlemermaid/news/20230606_01
皆さんは「ポケモンショック」とは何かご存じでしょうか?
1997年に放送されたテレビアニメ『ポケットモンスター』の中で、フラッシュなどの激しい点滅表現が多用され、一部視聴者が光過敏性発作等を起こし救急搬送された放送事故・事件が俗称として「ポケモンショック」と言われています。
その際の病院に搬送された患者の多くは児童だったそうです。
ディズニーからの発表があって、実際にSNSなどでも既に前売り券を買っている方で、この件に関して不安に思っている方もいる様です。
子どもも多く視聴するであろう作品なので、そのあたり注意喚起を早めにする配慮があってもよかったのかなと思いますね。
ただ、事前に注意喚起されているので、不安のある方は光の強いシーンでスクリーンをじっと見続けない様に配慮できるかと思います。
今回の上映で、病院に搬送されることがない様に願っておきます。
まとめ
以上、リトルマーメイド実写が残念と言われる5つの理由を紹介していきました。
生き物などリアルを追求している割にCGは他作品に劣る様に思えたり、多様性を意識しているが故か、キャスティングがひどく残念と感じる人がいるというのがわかりました。
公開前の評判がひどかったり残念という声も多い実写版「リトルマーメイド」ですが、見てよかったと思えるような歌唱シーンや内容に期待したいですね。
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